2002年秋にTBS系列で放映された『機動戦士ガンダムSEED』
21世紀初のガンダムとして触れ込んだこの作品は、宇宙進出に伴う人類の革新をめぐる戦争を軸に主人公のキラとアスランの戦いを描いたものだった。
その前作の好評を受け1年置いて制作されたのがガンダムSEED DESTINYである。
ストーリーは前作から1年半後、再び起こる戦乱に、前作では敵側だったザフトの兵士シン=アスカが立ち向かう、というあらすじのはずだった。
ところが蓋を開けてみれば冒頭(のアイキャッチ)から、前作の主人公たるキラを前面に押し、シンはあくまでも表向きといった感を禁じえなかった。
それでも前半あたりは、かつての敵味方が逆転したストーリー展開で、キラたちアークエンジェル隊が間に介入しながらも、シンたちミネルバ隊は着実に戦果を上げていく。
しかし連合ファントムペインのエクステンデッド(強化人間)のステラの死をきっかけにキラとの対立は決定的になり、その後の作戦にて一旦はキラのフリーダムを撃破する。
それからシンは新型のMS・デスティニーを与えられ、戦乱の元凶たる地球連合を影で支配した組織ロゴスを壊滅させる。しかし一方、キラもフリーダムを強化したストライクフリーダムを得て、プラントを統治するデュランダルの専横に立ち向かう。
まあここまではある程度定石なのかと思い、当時はSフリーダムとデスティニーの最終決戦が繰り広げられるかなと思った(もちろん、勝ち負けはあまり問題にはしなかったけど)。
しかし最後の決戦においてSフリーダムは前作のクルーゼのプロヴィデンスよろしくレイのレジェンドとの決戦に、当のディスティニーはアスランのインフィニットジャスティスと決戦、しかも一方的な負けという体たらくに、戦後は何故か和解に転がりこんでしまったある意味肩すかしなラストに陥ってしまった。
当然編者としてもこういう結末は納得が出来るものではなく、半ば勢いで製作されたのがこのDESTINY REVENGEである。
これは原作にてシン=アスカがダミーの主人公(とくに最後が顕著)だったのに対し、あくまでもシンをメインに話を進めるためにストーリーをリメイクし、最後はいくらか腹をくくったつもりで書き上げた。
もはや真実も偽りも定義が混沌としたこの『命のものがたり』の帰趨やいかに、ということで。
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