スーパー戦隊レビュー(その2)

 光戦隊マスクマン(87年)
光戦隊マスクマンは、表向きはレーシングチームで、その実は武道家の姿博士によって集められた戦士たちである。
メンバーの力は前3作とは反対に内なる力をベースにして闘うヒーローで、あと先のフラッシュマンもそうだったけれど巨大ロボ戦にても2号機ロボが登場した作品でもある。

主人公と敵幹部の双子の妹との恋物語を織り交ぜての、先のフラッシュマンほどではないけれどけっこう波乱の物語が描かれた。
敵は平和な地底世界を乗っ取り、ついでに地上を制圧せんとたくらんだ地底帝国チューブ。
首領の地帝王ゼーバは強大な権力で組織をまとめあげ、地底世界の生物を改造調整した地帝獣と制圧した王族やら豪族やらを率いて地上世界へと進行せんとした。
そんなチューブたが、結局はゼーハの力の掟のみが頼りだった。しかし配下の幹部たちもその力の掟に対して、自らの野心やプライド、そして信念や忠義に殉じつつも、一方では己の生き方を貫いたこともやはり挙げたい。
最後追い詰めたゼーバこと最強地底獣リサールドグラーを倒し、地上も地底も平和が戻り、マスクマンたちはそれぞれの道を歩むことになったそうな。


超獣戦隊ライブマン(88年) 
この超獣戦隊ライブマンは敵味方に分かれた若い科学者たちの苦闘の物語である。
主役のライブマンは科学者候補生なだけに、己の科学力を駆使して戦うのだ。ことにレッドファルコン役には嶋大輔氏が演じたことで有名である。
始めの頃はかつてのサンバルカンよろしく3人メンバーで、中期ごろに後述の巨大ロボット計画にて後輩にあたる2人が加わって5人メンバーに落ち着いた。ちなみに追加の2人とともに2号機ロボットも登場し、合体して巨大ロボ戦を戦うことになった。
対して敵組織は科学者とアンドロイド、ミュータントを率いた頭脳武装軍ボルト。

主な計画の内容は主力のミュータント兵器たる頭脳獣をはじめ、直接の破壊計画の巨大ロボット計画。部下の奮起を狙ったアンドロイド計画。そして今まで集めた部下の優秀な頭脳を使ってのマインドコントロール作戦と結構バラエティに富んでいて、それでいて地球征服ということでは最後まで貫いていることも述べたい。
首領の大教授ビアスは当時アクション俳優で、先のフラッシュマンにてもサー・カウラーを演じた中田譲治氏が演じたことで有名。しかしキャラとしては、はじめ紳士然とした出で立ちながらも話を進めるうちに支配者色を強めていった。ことに後半のマインドコントロール計画では部下たちの頭脳をもとに進められた、結局は他力本願である感も否めない。
最後一連の戦いについて結局はビアスの欲望ゆえ進められたもので、それのむなしさを覚えつつも科学が人類の幸福につながることを望み、明日へと歩むことを誓って話をしめている。たしかにこれは大抵のドラマにも共通しているのには変わりはないのだけれど。

高速戦隊ターボレンジャー(89年)
このターボレンジャーは今でこそ戦隊シリーズの12作目と銘打っているけれど、先の事情でゴレンジャーとジャッカーがカウントされず、10周年記念として歴代戦隊が勢揃いの特番が組まれてからの放映と相成ったことでも有名だった。5人の高校生が、スポーツカー型のマシンを駆って暴魔百族に立ち向かうというストーリーである。
敵組織の暴魔百族はかつて聖獣と妖精に封印されたが各地の封印が解けて復活し、主力の暴魔獣と幹部たちで地上侵略を企てるのだ。そんな彼らが狙う最後の封印を守るため、科学者の先生を通じてターボレンジャーにその任を託したのだ。 ところがその中期にて途中参入の流れ暴魔ヤミマルを除いて幹部全員はおろか首領たる暴魔大帝ラゴーンまでもが全滅するという体たらくに陥った。
ともかく後期はそのヤミマルを筆頭に戦っていたのだが、最後ラゴーンが復活し、加えてヤミマル自身人間としての心を取り戻し、ともに首領を倒し、暴魔たちは永久に封印されたといったことで。

これも見ようによっては前々回のマスクマンと同じとも見られるけれど、それよりもすっきり終わり、大団円の様相を呈しているといっても差し支えはないだろう。

地球戦隊ファイブマン(90年)
90年に放映された『地球戦隊ファイブマン』。
メンバーは前作とは対照的というべきか、小学校の先生たちである5人兄妹。かつて惑星研究に携わった科学者たる両親と引き離され、地球に逃げ帰った経緯を持つ主人公たちである。
彼らが対する敵は銀帝軍ゾーン。星々を滅ぼし、星の命を吸い取り続けた、85年のゴズマ(チェンジマン)に近い組織だった。
その主力たる銀河闘士。何故か地球の生物をベースにした生物兵器で、巨大ロボット戦では、戦隊戦で倒された闘士を生体ユニットが取り入れ、その能力を取り込むという、これはゴーグルⅤのコングロボットに近いかなといったところで。
彼らの首領は銀河皇帝メドー。しかしそれは真の黒幕であり母艦に姿を隠した銀河超獣バルガイヤーが生み出した幻で、星の命を吸い続けて最後にはその正体を現したのだ。
これはただ欲望のために星を喰らい続けた星王バズー(チェンジマン)、究極の生命体となるべく宇宙の生命を狩り続けた大帝ラー・デウス(フラッシュマン)と、この二者の要素を受け継いでいたなということで。
このバルガイヤーもいざ究極の生命体になり、破壊の限りを尽くしてきたが、密かに育て上げた生命の花の力で内部から討ち崩されたのだった。
ともかくこの作品も先のチェンジマン、フラッシュマンに通じているといえ、それでいてこの2作にも引けを取らない作品だともここに述べておきたい。  

鳥人戦隊ジェットマン(91年) 
この作品は当時はやりだった若者向けのトレンディドラマを基軸とした、いわゆるちょっと大人の特撮ドラマを目指した作品ともいえる。しかしそれゆえに当時のチビッ子の皆さまにはちょっととっつきにくかったかなとの印象を与えたのも述べるまでもない。
異次元の侵略に立ち向かうためにヒーローの力を得たレッドと、敵の攻撃による事故で力を得たブラック、ホワイト、イエロー、ブルーとで結成されたのがジェットマンである。
彼らは敵と戦いながら敵の幹部と化したレッドの元パートナーとの苦闘と、ヒロインたるホワイトをめぐってのレッドとブラックの静かなる対立など結構な人間ドラマが繰り広げられていたのだ。
敵組織は次元戦団バイラム。異次元の悪党で組織された無法者集団である。構成は4人の幹部による野合ともいえ、一応首領はいたにはいたが結局幹部たちに排除され、首領が育てていた生物も最後まで活かせず倒されてしまう。
結局その幹部間の不和が、組織崩壊の直因として今作では特に顕著な要素となってしまった。
そんなちょっととっつきにくかった感もある当作品だけど、放映終了後後日譚のストーリーを描いたコミックが発表された等、ある程度人気を博し、今となってはひとまずの名作として認識されたこともひとまず述べておきたい。

恐竜戦隊ジュウレンジャー(92年) 
はるか太古の時代に封印された邪悪なモンスターたちに立ち向かうため、現代によみがえった勇者たち。恐竜の力を身に付けた彼らがジューレンジャーである。
対するはバンドーラ一味。首領は名優曽我町子女史扮する魔女バンドーラ。土人形に邪悪な意思を込めたモンスターたちを送り込み人間社会に混乱を巻き起こすのだ。
対するジュウレンジャーもはるか古代より地球を守護した一族なのだが、戦隊ヒーローはともかく、巨大ロボ戦についてはなぜか現代あるいは近未来的テクノロジー的なデザインなのかは今更ながら突っ込んではいけないものだけれど。
ついでに挙げたい要素は、戦隊メンバーの5人の他にもう一人のメンバーであるドラコンレンジャー、いわゆる6人目がはじめて登場したことがやはり特徴的だったことだろう。
あと挙げたい要素について、海外にて『パワーレンジャー』なる特撮作品が後に放映をはじめ、このジュウレンジャーから後の作品をベースに、そしてパワーレンジャーならではの魅力で国内外のファンを確立していった、ということで。

五星戦隊ダイレンジャー(93年) 
93年度放映の『五星戦隊ダイレンジャー』は、太古の時代から対立していた善悪の仙術使いを祖に持つダイレンジャーとゴーマ一族の熾烈なる戦いが描かれていた。
主人公のダイレンジャーは武術と仙術を駆使したヒーローでそれぞれが東洋の聖獣の名を冠している。
対して敵のゴーマ一族は首領、幹部ともども手練れの邪悪な仙術使い、なのだが。
主力のゴーマ怪人は、ゴレンジャーやバトルフィーバーの怪人タイプに近い。
今作もいわゆる人間ドラマに重点を置いていて、ヒーローたちはもちろんのこと、怪人の中にも己の生きざまを貫く者たちさえいたのだった。
そんなダイレンジャーだったが、最後は幹部や首領すべてが太古に滅んだゴーマ族が作り出した土人形であることが判明し、一旦は滅んだがその邪悪な意志は生き残っていた。
それは50年後に黄泉返り、それに対する役目は次世代のダイレンジャーに引き継がれる。
いずれにしてもゴーマ族、ただ単純に人類の敵というわけではなく、人類の繁栄のための必要悪といったところで、そこのところはやはり考えさせられるかもしれない。

忍者戦隊カクレンジャー(94年) 
94年に放映された『忍者戦隊カクレンジャー』、そもそもが戦隊“レンジャー”はある意味忍者の要素があって、これまた基本の要素に立ち戻ったともいえる。
各地から集結した忍者の末裔が自らの忍術と最新の科学兵器とを合わせて結成されたカクレンジャーとして現代に黄泉返った妖怪と立ち向かうのが大まかなあらすじということで。
今作は野心的な要素が多く見受けられ、主人公のレッドより、ヒロインのホワイト、鶴姫がリーダーということで他の男性メンバーが盛り立てて助け合うといったところ。
あと敵の妖怪は形式上の組織を組んでいるというわけではなく。話を進めていくうちにラストの大魔王に立ち向かうといったところか。
あと今回の6人目はニンジャマンという戦隊とは独立したヒーローとなっている。
やはり今までの戦隊シリーズというよりも、往年の忍者映画の殺陣を目指した娯楽大作のイメージがあって、大いに盛り上がったことだろう。