男塾シリーズ
(宮下あきら)

 魁!!男塾

魁!男塾は破天荒なバイオレンス性で戦い抜く変則的な学園ドラマ『私立極道高校』のテイストを継承した痛快学園ドラマである。
時代錯誤的なスパルタ教育、もしくは軍隊教育で全国から集められた不良学生を鍛え上げ、やがては日本を担うエリートに育て上げるのが男塾、剣桃太郎をはじめとする塾生たちは日々破天荒なシゴキの日々を送るのだった。
その熾烈なシゴキを耐え抜いた後、日米交流と銘打って日本に留学した米国士官学校の学生や、関東の学生組織、そして男塾の支配者と名乗る邪気を筆頭とする三号生らのシノギの削り合い、そして塾長の宿敵が主催した天眺五輪武闘會の激闘を戦い抜くのが主なストーリーであった。
そんな男塾だが、その破天荒ながらも痛快なストーリーはもちろんのこと、それに活躍する愛すべきキャラクターたち、ことに塾長の江田島平八は名乗るだけでその存在感を強烈に打ち出せるほどのとにかく豪快な人物でもあった。そんなキャラごとの業や世界設定の説明をもっともらしいウンチクっぽく語る民明書房をはじめとするこれまた愛すべき偽書の数々も作品そのものの魅力を引き立てたのはいうまでもないだろう。 


暁!!男塾以降 

その後いくらかの作品を経てからプレイボーイの『天より高く』にて卒業後の社会にて活躍した塾生たちが、主人公ソラとともに犯罪組織に立ち向かうエピソードを描いて後、スーパージャンプにおいて連載されたのがこの『暁!男塾』である。
桃太郎の息子獅子丸が装いも新たな男塾において前作を輪に賭けた破天荒なシゴキのカリキュラムを仲間たちとともに耐え抜き、招待された武道会に隠された陰謀をもこれまた切り抜け続けていく。
さらにはキャラごとの個性とその倒錯っぷりも輪にかけており、これも前作のノリが受けたのかひとまずのヒットを受けるに至る。
さらにはかつての名作の極道高校とのコラボ作品やら、江田島塾長の若き日の活躍やらとその世界観も徐々に広がっていったのもこれまた述べるまでもなかった。 

スピンオフ作品等についてはまた後ほど。