なるたる

はじめに

さて、この“なるたる”ですが、実は僕もこの作品について、
03年にキッズステーションにて放映されたアニメから入ったのだけど、これが結構はまってしまった。
観ていくうちに話の内容も次第に重くなりその核心を多少は理解できるようにもなったのだけれども。

 最初ほのぼのとしたオープニング(実はこれが失敗の一つだという声もある)から、
第1話の素朴で後の神秘的な話の流れから、回を重ねていくごとにだんだんと重く暗くなっていった。

あと準青年誌ということもあってかなり際どい描写も原作にはあったがアニメではそれが押さえられもした。

まあ、結局アニメは未完、原作も最後は流れ的に失敗してしまったことになったけど、僕自身も乗りかかった船。
いささか強引ながら後期7巻のストーリーを元にアニメ版のストーリー予想を組みたいと思う、
あと最後の話についても考慮に入れるとして。

第2部予想

ここでなるたるの7巻から12巻までのストーリーを元に
いわゆる第2部のアニメ版を勝手に予想してしまおうと企画しました。
当然ながら、実際の原作、そして作者の鬼頭先生には直接は関係がありませんので
あしからずご了承下さい。

第14話:はじまりはいつも突然に
原題:虚飾の花園・穏かなる同席者

季節は春。シイナは名門女子校の万朶学園に通う中学生になっていた。
あの事件から一念発起したのか、猛勉強の末、見事全科目満点で十数年ぶりの特待生として万朶に合格したのだった。
 一方あの事件以来、ホシ丸はシイナのもとを離れていたが、実は影ながらシイナを見守っているのだった。
 新しい友達も増え、学園生活も充実し始めたかに見えた矢先、あの小沢さとみがシイナが竜の子のリンク者であることに気付き、自分の妹分になれと接触する。再び悶着を起こしかけるが、学園長の計らいで事なきを得る。

「まあ、思うところもあるでしょうが、常に自重を心がけてください」

後、シイナは事の真相を確かめようと、自らさとみの家に赴こうとする。
 そんな時、ホシ丸もシイナについていこうとする。ホシ丸を避けようとするシイナだが、やはり邪険にも扱いきれない。

「・・・勝手に、ついてくればいいでしょう・・・・・」

その教えられた先、そこは以外にも「月令社宅」だった。意外に思いつつも教えられた部屋に入ろうとするシイナに一人の女性が呼びかける。さとみの母親だった。
 シイナはその母親からさとみの身の上を聞き、後から戻ってきたさとみと一旦和解をする。この時シイナは文吾とも再会し、紹介される。母親に食事に誘われ、和やかな雰囲気の中を過ごすことになるのだが。


第15話:憎しみの右手
原題:満ちるコップ・落ちる夢

数日後、シイナは鶴丸の下へと赴き、東富士のことを聞き出そうとするも、結局は適当にはぐらかされてしまう。
 一方、須藤は宮子と接触することに成功する。文吾とさとみも仲間として紹介され、そのデモンストレーションとしてアマポーラが米国の巡洋艦を沈めたりもする。
 次の日、のり夫の造形の個展が開かれ、シイナは同級生3人とさとみを誘い、見に行くことになった。だが、一番奥に一際目立つように展示されていた天使の人形を見て、さとみはつい口をもらしてしまう。

「文吾の・・・どうして・・・・・?」

その一言から、東富士の惨劇がシイナの脳裏をよぎり、シイナはいきなりさとみに殴りかかる。だがそこに様子を見に偶然居合わせた文吾が、これあるを予想したかのごとく乗りかかったシイナをつまらなさそうに足ですくい上げ、自分をにらみつけるシイナにわざとらしい愛想よさで挨拶をする。そして自分にも殴りかかろうとしたシイナを「やめなよ、女は殴りたくねえよ」と、すかさずひねり上げる。
 そこはとりあえず鶴丸が仲裁に入り、その隙にシイナは文吾の股間を後ろから蹴り何とか文吾を振り払い鶴丸にしがみつく。
 蹴られた股間を押さえつつ「さ、先に手を出したのはシイナちゃんでしょ・・・・・」と抗弁するも、それは違うと鶴丸は返す。またしがみついているシイナに対しても「お前が人を殴ったところで、死んだ人間は帰ってこない」と諌める。

何とか事体を収め一旦みんなを帰らせることとなる。残ったシイナは明に会いたいともらす。そこで鶴丸は棲家の廃工場にエン・ソフの入った箱を見せる。あの事件以来鶴丸たちが預かっていたのだ。
 その明は、更正施設に収容されていた。その中母親との面会にて、実は自分が母親に疎んじられていたことを聞かされる。
 またその更正施設の園長が更迭されることになる。すべては明を精神的に追い詰める宮古らの策略だった。

 帰り道さとみは、シイナに対する殺意を確かなものにするのだった。


第16話:枯れていく遺恨
原題:枯れていく遺恨(前半パート)

万朶学園、春の健脚オリエンテーティング大会が開かれる。それは高等部と中等部の生徒が合同で班を組み、山の中をゴミを拾いながら歩くというものである。
 ここでさとみ達が何か仕掛けてくる可能性を見越した鶴丸は、のり夫を女装させ、グループからはぐれた生徒を装ってさとみの班に入り込ませ、さらに彼の竜の子でシイナを見見守らせる。
 案の定、まずさとみのアマポーラが密かに山の中で大量の磁石を作り出して方位磁針を狂わせ、更に霧も発生させ、シイナのいる班をコースから迷わせる。
 やがて山中の小屋に辿り着きそこで待機することにする一行だったが、突然小屋じゅうに何やら煙のようなものが充満した。それはアマポーラが発生させた催涙ガスであった。目をくらまされ、たまらず飛び出したシイナを襲うアマポーラ。すかさずヴァギナデンタータが止めにかかるが、ミサイルに載せられて遥か彼方へ飛ばされてしまう。
 しかし、鶴丸からの通信を受けたのり夫がさとみをスタンガンで気絶させる。シイナが捕まった状態でアマポーラが飛んでいたので、落下するシイナだが、ホシ丸が空中でキャッチする。結局ホシ丸に助けられた形となり、その閉じかけた心を開く。
 だが、さとみが気絶したままにも関わらず、アマポーラは再び動き出し、何とより人型に近い姿に変形してしまう。


第17話:有限の力
原題:枯れていく遺恨(後半パート)・有限の力・羊

シイナたちのもとに鶴丸が到着、巻き込まれて負傷した宇井を病院に運ぶため、鶴丸の車で下山することになる。
 しかし霧の中、赤外線カメラを頭から出して鶴丸の車を追い、襲撃するアマポーラ。鶴丸はシイナと宇井をホシ丸に乗せて行かせ、車でアマポーラをぶつけるが車ごと投げ飛ばされてしまう。
 アマポーラに追いつかれたシイナはホシ丸に宇井先輩を運んで行かせ、一人対峙する。とは言え、戦うすべは何もなく林の中へ逃げるのみだが、すぐに捕まり、執拗に殴りつけられたうえ右手もへし折られてしまう。絶体絶命と思った時、後方から現れたもの、それはイカツチの乙姫だった。
 イカツチの手から放たれた光がアマポーラを貫くと、倒れていたさとみは突然絶叫とともに今度こそ気を失う。

薄れ行く意識の中、さとみのこれまでの人生が振り返られる。

その後、さとみはそのショックで幼児退行を起こして政府施設に引きこもり、文吾に甘えたきりなってしまう。
 一方須藤も、今回の事態に対し、宮古に釘を刺され、さらには美園にも忠告される。須藤もまた美園にその真意を質す。

 しばらく入院することになるシイナは、見舞いに来たクラスメイトに対しては本当のことは言わないが、鶴丸が来たときつい本音を漏らしてしまう。