『・・・あれ、ここ、どこだろう。あたし、泣いてるの、って、あたし、赤ちゃん・・・・・?』
その赤ちゃんのいる部屋から、何故か火の手が上がる。
『え、何、何で火事なの、ヤバいじゃん、これじゃ逃げられないよ、誰か、助けてよ・・・・・』
その時、一人の男の子が炎の中から飛び込んできて、その赤ちゃんを助け上げる。
「よかった、無事だった、アンヘル、早くミスティの所へ行こう」
『ミスティ、お姉ちゃん、って、ということは、この子は、ラ・・・・・』
しかし突然、炎の塊が二人に降り注いでくる。
「・・・・・!」
気が付けばそこは寝室の寝床の上、そう、自分は夢を見ていたのだ。
「何で、あんな夢を見たんだろう、そうか、あの時、赤ちゃんだったあたしを助けたのは・・・・・」
いつの間にアンヘルの目には涙が流れていた。
「あいつ、だったんだ・・・・・」
とある地下施設、そこでは二人の男が闘っていた。一人は黒いコートに付いた数枚の刃を駆使し、もう一人は装着した数本の鞭を駆使して闘っていた。
勝負は一進一退、お互いの武器と武器、業と業のぶつかりあいが続いていた。
そのうち、互いに動きを止め、一人が口を開く。
「かれこれ、30分ってところか」
「確かに、今のところはこれで十分だな」
「ここは俺たちの闘いだった。それ以外だったらもっと早く済ませていた。もっとも、「奴ら」相手だったら簡単にはいかないがな」
そんな二人にアンヘルが近付いてきた。そう、男たちはかつてのネスツ作戦指揮ユニット、ゼロと総指揮ユニット、イグニスであった。
「二人とも元気してた」
「ふん、アンヘルか。そういえばあいつはどうしている」
イグニスが問う。
「まだまだ調整中。確かに彼が一番ゼロドライブに依存してたからね」
「なるほどな、しかしながら俺の再生処理を含めて、あいつの調整と、今更だがご苦労だったな、アンヘル」
「どういたしまして」
そう、特にイグニスは先の暴走で身体の半分を失い、再生処理の結果20代半ばの肉体から10代半ばへと姿を変えたのだ。あと本人の強い希望によりゼロドライブに頼らないようにと自分の武器を改造した。それは先の戦いで外傷が少ないために以前と変わらないゼロも同様だった。
「それはそうと、あいつが出られない今となっては、やはりお前を頼らねばならないな」
「それはいいけど、やはりあたしでいいの、ゼロ」
「かまわない、今ミスティは龍(ロン)とともにいろいろと動いていることだからな。今はお前の力はともかく情報処理の能力が必要だ。これからの情報の推移が見たいからな。またお前自身、ケリをつけたい者がいるだろう」
イグニスの応えは穏やかだが、それを受けるアンヘルの心は重い。
「ええ、なるべくあなたたちの足は引っ張らないつもりよ」
それと同じく、アンヘルは1通の封書を見せる。封にはRの紋が押されていた。
「ふん、奴め、ご丁寧に招待状までよこしたか」
「まあ、大会まではまだ時間があるがな、それまでゆっくりと羽を伸ばすとしよう。お前もゆっくりと休んでくれ、アンヘル」
アンヘルも静かにうなずき、部屋を後にする。残された2人はそれぞれに闘志を燃やしつつ静かにたたずむ。
「確かに、俺のドナーとしてのお前は認めよう、それゆえに俺は、お前に勝たなければならぬ。それが俺の、存在する意義につながるのだからな、クリザリッド・・・・・」と、ゼロが、
「やはり俺の存在意義は、お前の影を断ち切ることにあった。ならばここではっきりとさせよう。貴様のクローンどもを倒し、この俺が真に存在しうるのだ、ルガールよ」と、イグニスが、
そしてアンヘルもまた、
「今、こうしてあたしが生きていられるのは、あなたのおかげ、だからこそ、あなたと決着をつける。過去の自分を受け入れるため、今の自分を乗り越えるため。そうでしょ、ラモン・・・・・」
それぞれの思いを込め、自分たちの運命に立ち向かうのだった。
ちなみに、チームの(本サイト上での)プロフィールは
イグニス
声:浪川大輔
格闘スタイル:イーリスランス・ガーリアンソード
(体に装着された鞭状の武器を巧みに操る)
年齢:不明(外見的には10代半ば)
趣味:天体観測
得意スポーツ:スポーツは苦手
好きな食べ物:機能性食品(意外と小食)
大切なもの:自分のプライド
嫌いなもの:特にないがやはりRの人とそのクローン
ゼロ
声:松田佑貴
格闘スタイル:ブレイドスーツ、ある程度の重力制御
年齢:不明(外見的には30代前半)
趣味:戦闘データ分析
得意スポーツ:水泳
好きな食べ物:肉類と果物類
大切なもの:ある意味自分自身
嫌いなもの:特にないがやはり自分のドナー(遺伝子提供者)
アンヘル
声:新谷真弓
格闘スタイル:キャットファイト
年齢:19歳
趣味:機械いじり
得意スポーツ:サッカー(キーパー)
好きな食べ物:テキーラとサボテン刺し
大切なもの:服のコレクション
嫌いなもの:特にないといっているがやっぱりウィップ(セーラ)が嫌い
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