負け犬が最も好む言葉は「おぼえてろ」である。
ケネス=ギルフォード(七都市物語より)

アニメ・こちら葛飾区亀有公園前派出所(その1)

ここでの記事では、原作コミックにてのアニメ未発表のエピソードの中から、
編者が気に入った作品、あるいは納得がいかなかった作品をアニメ風にアレンジして
気が向き次第に公表しようという企画です(需要はあるかどうかは分からないけど)
それでは、ごゆっくり

掘りごたつ大作戦(原題:掘りごたつパニック!?の巻)

はじめに:この話は編者としても次回の鍋騒動の話に比べ、あまりにも反骨の要素がなさ過ぎたのでその補完を踏まえ製作しました。

ある日、両津が木材を持って出勤してきた。そして休憩室の床をくりぬいてそこに掘りごたつを造ったのだ。
 何をしたかと覗き込んだ中川たち、大原部長の言から掘りごたつの談義に進む、そのうちにこたつの配線とヒーターの取り付けのため両津がこたつの中に潜りこんだ。しかしそのうちに婦警たちが遊びに来た。掘りごたつを見かけ早速中に入り電源を入れるが、まずいことにそこにはまだ両津が入っていたのだ。何とかやり過ごそうとするも高温に耐えかねてついに気づかれてしまう。
 婦警たちに痴漢と決め付けられ散々に突っつかれた挙句消火器を吹付けられてしまい退治されてしまう。怒り心頭の両津は復讐をと派出所を飛び出してしまう。

 その夜上空から花火爆弾で襲撃しようとする両津を、心配で駆けつけてきた麗子が打ち落とす。結局川へと落ちる両津、しかしこれあるを予測していたようですぐさま次の作戦に移る。

 後日、中川は女子寮を訪れ、婦警たちにコタツセットを送り、先日の両津のフォローをとこれまでのいきさつを婦警たちに説明するも両津の部分は無視して中川のみに感謝の言葉を送る。そんな折、中川の携帯がかかりそこから両津の声がした。
「よくも裏切ってくれたね中川くん、これから面白い出し物をお送りするよ」と、外の両津はコントローラーのスイッチを押す、すると女子寮の暖房システムがいっせいに温度を上げる、つまり前もって知り合いの電気屋に細工をさせていたのであった。
 しかしそんな勝ち誇る両津に部長が駆けつけ今すぐ止めるように言いつける。
「部長まであいつらの味方をするのか」とコントローラーを取り上げようする部長に反発、取っ組み合いの末コントローラーを川に落とす。
 そのはずみで女子寮の暖房システムが暴走、女子寮は炎上してしまった。

翌朝、女子寮は全焼し、婦警全員は全員避難したが、ほとんどの持ち物は灰になってしまった。
中川「よもやこれほどとは、先輩の怒りはすさまじいな」
麗子「あっけなく引き下がったと思ったけど、両ちゃんを甘く見ていたわ」
 後日消失した家財は中川が弁償するとしても、婦警たちが受けたショックはとてつもなく重かった。
「よくもやってくれたわね、おぼえてらっしゃい原始人!」と。

数日後、鳥取砂丘にて、逃走の末捕まった両津が日干しにされていた。
「け、結局捕まってしまった・・・・・、ちくしょー、こうなったらとことん嫌われてやるぞー、みんなおぼえてろー!」
 とまあ、あんまりこたえていないようである。

備考:とまあ、原作をもとにネタを組んだけれど、すでにアニメ129話の前半で放映されてたんですね。その掘りごたつの下りでの小町との悶着の後で、二人の仲をめぐっての騒動に発展し、最後にはすっきりとシメたけれど。つまりはちゃんとスタッフも考えていたんですね。


輝け!県警対抗キャラクター運動会(原題:開催!キャラリンピックの巻)

 ある日、両津が面倒臭そうに書類にサインをしていた時、警視庁の警視正さんが現れ、至急本庁へと出頭するように言い渡される。
 そして本庁にていきなりマスコットのパーポ君の着ぐるみを着せられ、この度各県警の代表でマスコットの着ぐるみでの運動会を行う運びとなり両津が東京警視庁の代表として選ばれたわけだ。乗り気じゃない両津だが同じく呼ばれた部長と署長に釘を刺される。
署長「とにかく本庁の期待はお前の肩にかかっているのだぞ」
部長「ここで無様な格好をしたらそれこそ免職ものだぞ」
両津「ちぇっ、結局イヤな役目はわしに押し付けるんだよな」
部長「つべこべ言うな、ほら、予選がもう始まるぞ」
 そんなわけで運動会の予選が始まり、パーポ君扮する両津は各競技で奮戦し勝ち進む。
 中には中身の人員が入れ替わったのが発覚し失格になった県警チームもあり、波乱含みの大会となった。

 こうして迎えた決勝戦、対するはなんと御堂春が扮する大阪府警のマスコットであった。相手が春だと分かり対抗心を燃やす両津、一方の春も負けてはおれず、試合はこの二人のデッドヒートとなった。
 そこに部長の「優勝したら日本一周旅行に連れていってやる」という言葉と、意外にも婦警たちの応援で両津も奮起する。
 結局最後はスタミナが優る両津が見事優勝を飾る。一方、疲れ果てて悔しがる春に婦警たちが駆け寄って慰める。
「ちえっ、さっきまでわしを応援したかと思えば、相手が女だとわかりゃこれか、調子のいい奴らだ」

 そんなわけで、結局優勝したはよいが、今度は全国巡業の旅に出るよう言いつけられる。
両津「ちぇっ、せっかく優勝したのにまたこんなんで全国を回らなきゃいけないのか」
部長「文句を言うな、約束通り日本一周をさせてやってるんだぞ」
 すっかり旅行気分台無しの両津は、春や何故か小パーポ君扮する檸檬と一緒に各地の幼稚園で踊って回るのだった。


磯鷲家、京都流クリスマスの巻(原題:京都聖夜)

 もうすぐクリスマスというのに何もすることがなく退屈をもて余している両津のもと、早矢が今すぐ磯鷲家に行くよう京都につれていく。
 京都、磯鷲家の大広間にてはあの磯鷲父がでんと座していた。その父が言うには、最近京都界隈で怪しい娘たち(見れば秋葉原で見かけるようなメイド風の女の子)がうろついているので、両津に調査と改善を命ずる。
「なんでわしが」と言い返そうとするも、
「京都の風紀を守るが磯鷲家の使命。早矢の婚約者たるお主の役目だ」とすごまれれば両津も何も言えない。
 仕方なく界隈を調べる両津たち。件のメイドらしき女の子を発見しつけてみて店に入ると、そこは京風茶屋だったのだ。メイドたちも京都弁での接待でそうそういかがわしいものではなかった。
 そんなときなんと中川が現れ、実は最近秋葉原のメイド喫茶を参考に京風にアレンジしたものだったのだ。両津も事情を話し中川もそれならばとメイド数人を磯鷲父のもとに送って茶の湯の接待をしつつ説得に当たる。

 なんとか納得してくれた父をメイドたちに任せて両津たちは早矢にある寺に連れられる。外はすでに雪景色だった。
 実は早矢も子供の頃からクリスマスを楽しみたかったが、家が家なのでそれもままならなかった。
 今日は折しも雪、早矢にとっては待ちに待った瞬間だった。雪に覆われ宵闇に映える三重の塔、これこそ早矢にとっての最高のクリスマスツリーだったのだ

 しばらく見入っていた3人、そこに赤い装束と頭巾に身を包み、背には白い袋をさげた磯鷲父が現れた。これから街中の子供たちに菓子を贈って回るというので両津も手伝えと命ずる。
 これじゃサンタだと言い返す両津はすでに門下生たちによって着替えさせられ、父に連れられる。
 中川と早矢が手伝ったものの、結局磯鷲父に振り回されたとはいえ、結果結構充実した京都でのクリスマスを過ごすことができたそうな。


南海の死闘・両津対爆竜(原題:バカンスは納涼船で)

 絵崎教授が中川重工との協力で新型の屋形船を建造したことを受けて、部長の提案で派出所の慰安旅行は屋形船でのクルージングとあいなった。
 当日、その屋形船に乗り込む一行、出発と同時に船体が浮き上がりそのまま離水する。なんと屋形船は絵崎教授が製作した飛行艇だったのだ。
 船内の施設も充実しており、両津たちは早速目的地まで満喫していった。

ようやく着いた南の島、そこは中川グループ管轄のリゾート地でもあった。早速ビーチにて楽しもうとする矢先、突然爆竜大佐率いる傭兵隊が乱入、そのまま軍事訓練を始めてしまう。
 そこで抗議しようとする両津、対する爆竜も両津の姿を見るや、邪魔をするなとマシンガンで追い返す。いかに模擬弾でも当たるとやっぱり痛い。
だがここで引き下がるわけにもいかず、意地でも楽しむため居座ることにする。

 対してなおも居座る両津たちに爆竜も何とか追い払おうと隊員たちの訓練に巻き込ませる。さらに模擬手榴弾を両津に投げ込んだりもした。
 当然ながら両津の怒りは爆発し、隊員相手に大立ち回りを演じることなる。隊員たちを蹴散らしついに爆竜との取っ組み合いにもつれ込む。確かに体術においては爆竜の方が上なのだが、一瞬の隙を突き両津が爆竜を投げ伏せる。
 結局、爆竜隊は両津に殲滅され、ヘリで脱出した爆竜を除き隊員全員が泳いで基地まで帰ることになった。一方両津たちの方も戦闘のあおりで飛行艇を破壊され当分帰れなくなった。
 バカンスを台無しにされた両津、訓練を邪魔された爆竜、そして夕日をバックに両津と爆竜の「おぼえてろー!」の声が響き渡る。

備考:実は先のスカイピンポンの巻はここのエピソードが関連していたりします。


爆竜大佐の復讐・スカイピンポンパニック(原題:球技大会の巻)
 ある日、両津は近所のお年寄りの大掃除の手伝いをしていたら懐かしいオモチャを発見した。スカイピンポンである。両津はそれを手に派出所に戻り、次回の区民交流の出し物としてスカイピンポン大会を開こうと持ちかける。
 しかしその情報を傍受したある一団がとある陰謀を画策する。
 そんな後日、葛飾署内にて区民交流会が行われ、スカイピンポンも両津主催で出し物の一つにされた。しかしギャラリーは一向に集まってこず、両津もあれこれと考えているうちに「婦警たちに水着を着せて」と漏らすと、それを聞いた婦警たちに非難とともにピンポンを打ち込まれる始末、しかし、そのピンポンが当たったとき、ある考えがひらめいた。
 何とイタズラ半分で癇癪玉入りのピンポンを打ち込む両津、周囲のひんしゅくもなんのその、「全員参加だ」といきまく両津。
 そんな折爆竜大佐が、先日のスカイピンポン大会の話を傍受し、昨夏訓練を邪魔された両津に仕返しをしようと現われたのだ。まず爆竜がピンポン型プラスチック爆弾を打ち込む。当然署内は大パニックに陥る。さらに爆竜の命令でイヤイヤながら爆弾をスカイピンポンで放つ隊員。彼らも爆竜の地獄の特訓が怖いのだ。大騒ぎの葛飾署内、何故か爆竜を呼び寄せたとして両津に非難が集中する。

「さらばじゃ両津、また遊んでやるぞ」と、ヘリで脱出する爆竜、しかし両津も前もって作っておいた巨大スカイピンポンでヘリに飛びつく。散々の取っ組み合いの末、ヘリは葛飾署舎に墜落した。
 この騒動で爆竜は全治3ヶ月の重傷、両津は比較的軽傷ですんだが、すべての責任を取らされ留置場送りになる。
 そしてお互い「おぼえてろー!」と、両津と爆竜の不毛な抗争はまだまだ続く。

雪山大災難の巻(原題:擬宝視家温泉スキー旅行の巻)

はじめに:ここは2本パートに分けてズッコケ話と人情話をあえて分けて製作したほうががいいかもということで。
 ある日、派出所の面々と擬宝視家とでスキー旅行へ行くこととなった。ところが両津は朝から災難続きであったのだ。列車に乗るや顔を出して頭をぶつけるは、もんどりうって倒れているところに車内販売のカートにひかれるは、駅に着くなり坂道に滑るは、壁にぶつかって積雪の下敷きになるは、「何でこんな目に遭うんだ」と拳を壁に叩きつけたはずみでつららに突き刺さるはともう踏んだり蹴ったりの連続であった。
 次の日、纏たちはスキーを楽しんでいたが、両津だけは一連の災難のために不機嫌の極みにいた。そして何を思ったのかリフトに乗ろうとしてこけた弾みに足を引っ掛けたまま上に上る。やがて頂上にさしかかり、そのまま飛び降りて転がり、ついには巨大な雪玉になる。
 雪玉となった両津は下の纏たちに襲い掛かり多くのスキー客をなぎ払う。そしてしまいには麓の町を破壊し回っていたのだが、なぜか神様が降りてきて「いいかげんにせんかい!」と雪玉を上空まで蹴り上げる。
 駆けつけた部長や纏たち、少し小さくなった神様が言うには、ここ一連の両津に降りかかった災難は実は一括して下した天罰だったそうだ。前にもいろいろと天罰を下していたのだが、悪態をついてばかりで一向に改心しなかったので今回の事体に陥ったという。
 つまりは悪循環となってしまった。もっとも婆さんに言わせれば所詮は役所仕事ということになるのだが。
 結局神様が神罰ということで両津を宇宙に放逐した。神罰は天罰の1万倍の威力ということだ。普通の人なら間違いなく死んでしまう。
 その後神様の神通力で町は再生し、両津は数週間の間亀有公園に落下するまで氷漬けで地球の周回軌道を回っていたという。ちなみに今回の神罰からの落下で次回の倍の天罰が下る事が決定したそうな。

擬宝視家雪まつりの巻

 とある冬の日の朝、その日は久々の大雪で一面は真っ白になっていた。おりしも超神田寿司はその日は休日だった。
 両津の寝室に入り込む纏は表の雪景色を見せ起こそうとする。しかし一向に起きない両津を纏が布団をひっぺがして外に放り投げる。成り行きで雪合戦を行う両津と纏、そこに夏春都婆さんがなぜか入ってきた。軽くあしらおうとする両津に婆さんはすばやい動きで無数の雪玉をぶつける。降参した両津に容赦なく雪玉はぶつけられついには雪だるまにされてしまう。
 今度は蜜柑をあやしていた檸檬が両津に近づいて雪だるまをせがまれ、巨大な雪だるまを作る。何個か雪だるまを造り一息ついた両津に次は蜜柑が雪ウサギをせがまれる。出来上がった雪ウサギに蜜柑も檸檬も大いに喜んだ。
 しかし次の日、強い日差しに雪だるまと雪ウサギも溶けてしまった。落ち込む檸檬と蜜柑に両津は雪ウサギの跡から植物の種を見つけ、そのまま植える。
 そして数日後、植えた苗から芽が出た。
 檸檬や蜜柑、そして両津たちも春の訪れを予感するのだった。


王将刑事登場・将棋人生まったなし(原題:将棋刑事の巻)

 ある日、寺井と将棋を指しているときに、あの海パン刑事汚野が現れた。その汚野に至急本庁に来るように言われ、その際お約束ということで無理やり海パンに着替えさせられてからパトカーに乗せられる。それに反発し取っ組み合いつつ本庁に向かい、突っ込んで投げ出されてもなお取っ組み合っている両津と汚野、警視正さんによってようやく諌められようやく本題に入る。しばらくして両津たちのもとに王将の駒の着ぐるみをした王将刑事が待ち受けていた。また特殊刑事かと辟易するも本庁の命令ということで無碍には出来ない。
 何故か早速訓練を受けることになったが、どれも将棋の駒にさせられて遊ばれるものだった。
 そこに逃走した銀行強盗が近所の駄菓子屋に立てこもったという通報を受け、両津たちも現場に駆け付ける、もちろん王将刑事の指揮のもと。
 ところがいざかかってみればまさに人間将棋、いいように操られてしまう。
 また「ふざけやがって」と激昂した犯人たちもマシンガンで応戦する。怯んだ両津たちを今度は王将刑事も豆鉄砲でけしかける。
 ついに両津も着ていた着ぐるを破壊して激怒し、「事件は将棋盤じゃなく現場で解決するもんだ」と王将刑事を投げ伏せて着ぐるみを破壊。そのまま王将刑事を背負い犯人たちに突っ込み、大立ち回りの末逮捕するに至る。
 事件は解決したものの、王将刑事もプラン失敗を受け出直しということで、別れ際仕返しとばかりに両津に足元をすくって転ばし、そのまま逃げるように去っていく。
 「二度と来るな」と憤慨した両津はやり切れぬ怒りを汚野にぶつけ銃で追い回す。


負けるな、ロボ剣くん(原題:ロボット剣士の巻)

 ある日、本庁のロボット課に勤務しているダメ太郎が久しぶりに派出所を訪れ、この度中川重工の協力のもと剣道用ロボットが開発されたと告げる。そこで起動実験を葛飾署内の武道場を行うこととなり興味本位で両津たちも赴くことになる。
 武道場には先にスタンバイしていた剣道ロボット、その名もロボ剣くんがいた。ダメ太郎が言うには大原部長のデータがインプットされているという。そのダメ太郎は調整のため一時葛飾書を離れる。
 さっそく実験を行うこととなりロボ剣くんの相手を募るも誰もがしり込みする中、結局両津が相手をすることになる。
 いざ両津との試合、まずは目にもとまらぬ速さで一本を決める。もともと対凶悪犯罪用の実戦ロボットとして開発されたロボ剣くんなので、部長の思考と自身の能力で両津を翻弄する。対する両津もあの手この手で対抗するも結局歯が立たない。
 それを見かねて早矢が実験に参加する。しかしロボ剣くんもなぜか早矢には甘い行動を取る。それを指摘した両津に突然ロボ剣くんが襲いかかる。
 そのうちに「コラ、両津、コラ、両津」と連発して叩きまくる様は、まるでロボ剣くんが部長そのものになってしまったかのようである。

 これで気をよくした部長もそのまま懲らしめるように命じ、言われるままに両津を叩きのめして追い回し完膚なきまで叩きのめす。すっかりズタボロになった両津は戻ってきたダメ太郎をここぞとばかりに捕まえ、あることを強要する。

早矢を得てようやく邪魔ものがいなくなったといわんばかりにと実験を再開しようとしたところ、突然天井から両津が巨大ロボットに乗って仕返しにやってきた。これもまた対凶悪犯罪用ロボットの試作品であった。
「負けず嫌いも程があるぞ」と部長もロボ剣くんに応戦を命じる。しかし巨大ロボットの一撃で、巨費を投じて開発されたロボ剣くんもあえなく粉砕されてしまう。
「ああ〜、ロボ剣くんか・・・・・」と嘆くダメ太郎、しかしそんなダメ太郎に
「あんなのが二人いちゃたまらんぞ」と両津が返し、さらに部長たちにも仕返しとばかりに襲いかかろうとリモコンを動かそうとするも、誤って赤い大きなボタンを押してしまう。それは巨大ロボットの自爆ボタンであった。
 結局ロボットは葛飾署を巻き込み、部長の「ばっかもーん!」の怒号とともに大爆発を起こしてしまう。


飛び立て、飛行艇大作戦(原題:飛行艇時代の巻)

 ある日、中川とともに隅田川でクルージングを楽しんでいたころ、突然空から大型の輸送艇が着水してきた。
その輸送艇には『両津航空会社』と書かれていて、興味をそそられた両津はその飛行挺に飛び乗っていく。

 こうして飛行艇格納庫がある本社事務所にたどり着き、そこには両津の祖父の勘兵衛がいて、一つ乗ってみないかと持ちかけられる。こうして乗った小型の海難救助艇を駆りしばらく界隈を飛び回っていたところ、ぼんやりと覗き込んだモニターに本田の姿をプールに見つけた。
 どうせなら本田も付き合わせようとそのプールに飛び込んでいく。
「おーい本田ァー、これから面白いものがあるんだ、こんなデートよりも面白いぞ」
 と言って本田を機内に装備されていた救助用マジックハンドで捕まえ飛び去っていく。
「何でここまで来て呼びつけるんですか、せっかくデートを楽しみにしていたのに」
「わしに見つかったのが不運だと思って今日はあきらめろ、デートぐらいいつでもできるだろう」
 こうしてオフィスに連れ込んだ本田とともにテレビのモニターにお台場のイベントのことを知らせて二人で乱入しようと大型の輸送艇に乗り込む。嫌がる本田を操縦席に座らせ、バイカーの人格を呼び起こし、輸送艇を飛び立たせる。
 そしてイベント会場に着水した輸送艇。そんな時たまたま孫と一緒に遊びに訪れた部長とはち合わせとなる。部長は怒鳴りこもうと乗り込み、ついでに孫の友達も興味で乗り込んで飛び立っていく。
 部長との口論とともにしばらく飛び立っているうちに中型客船の事故に出くわし、口論は後回しに両津や部長、そして子供たちも乗客を助け出す。
こうしていざ帰還しようとするも、帰りの燃料が底を尽き、隅田川に不時着してしまう。もちろん部長の「ばっかもーん!」の怒号とともに。


スクーター暴走族、走り出したら止まらねえ(原題:スクーターボスの巻)

 最近大型スクーターの暴走事件がここ亀有でも頻発していた。普通バイク以上の手軽さと外観による人気のよさが背景にあったからだ。
 この日も本田が暴走スクーターを取り締まっていた。いくらか取り締まった暴走族をどついてから通常の人格に戻ったところで両津がしょっぴいていく。
 それを受け族のリーダーの須田カツオは報復を決意する。実はそのカツオ、もとはバイク屋の整備士で、上司とケンカして店を辞め、今は無職で族のリーダーをやっていた。
 その夜も母親と口論となり、しばらくして母親がいない隙にガソリン代と財布を持ち出そうとするも中に幼い頃の自分と母親の写真を見、少し後悔し思いとどまる。
 しかし次の日、カツオはそのヘコんだ気分をはらすため葛飾署襲撃を決行しようとする。対して昨夜カツオの母親に息子を止めるよう頼まれた両津と本田も迎え打とうした。ところが族たちがいざ出発しようとしたところ、たまたま女生徒の誘拐を目撃、そのまま犯人の車を追いかける。カツオたちを止めようとした両津たちと合流しともに犯人を追い詰めた。
 そして両津が白バイから犯人の車に飛び移り、それと同時にカツオのスクーターが衝突し車を停め犯人を逮捕、女生徒を無事保護した。
 後に署から表彰を受け、それを機に族を解散、カツオも再び職につくこととなった。

 しかししばらくして今度は老人のスクーターでの暴走が頻発することになる。あのカツオが巣鴨で店を開き、それがバイク好きの老人に評判となったからであった。
 またひとつ問題が増えたことになるのだが、カツオも充実した生活を送れているので、一応よしとする両津であった。